はじめに:全部「share」で済ませていませんか?
英語で社内の「共有」の話をしていると、つい何でも share で済ませてしまいがちです。
しかし、share / circulate / distribute を使い分けると、「軽く共有する」「社内で回覧する」「正式に配布・展開する」をはっきり区別して伝えられるようになります。
この記事では、この3つの違いを、社内コミュニケーションでそのまま使える例文と一緒に整理します。
share「相手に渡して共有する」
share は、「相手に何か(情報・資料・リンクなど)を渡して一緒に見られるようにする」という一番ベーシックなイメージです。
口頭でもメールでも使え、カジュアル〜普通レベルのビジネスで幅広く使える、汎用的な「共有する」です。
- I’ll share the updated file after the meeting.
会議後に更新版ファイルを共有します。 - Could you share your notes with the rest of the team?
チームの他のメンバーともメモを共有してもらえますか。 - Thanks for sharing the customer feedback.
顧客からのフィードバックを共有してくれてありがとうございます。
- Teams / Slack などで資料やリンクを送るとき
- メモやフィードバックなど、軽めの情報共有
- 「とりあえず送っておきますね」のニュアンスのとき
circulate「社内で回覧する・回して共有する」
circulate は、「資料や情報を人から人へ回していく(社内で回覧する)」というニュアンスがあります。
メールの“回覧”や、会議資料を「関係者間で回して共有する」ときに使われる、少しフォーマル寄りの表現です。
- Please circulate the agenda to all participants before the meeting.
会議前にアジェンダを全参加者に回覧してください。 - The report has been circulated among the management team.
そのレポートはマネジメントチーム内で回覧済みです。 - We’ll circulate the minutes once they are finalized.
議事録が確定したら回覧します。
- 社内で「回覧」「回して共有」というイメージが強いとき
- 議事録・レポート・方針など、きちんと目を通してもらいたい資料
- 「各部署に回してください」のような少しフォーマルな言い方をしたいとき
distribute「正式に配布・展開する」
distribute は、「広い範囲に向けて配布する・展開する」というイメージです。
印刷物の配布だけでなく、「資料・ガイドライン・マニュアルなどを正式に配布する」感じで、やや硬め・オフィシャル寄りの表現です。
- We will distribute the new guidelines to all employees next week.
来週、新しいガイドラインを全社員に配布します。 - The training materials were distributed before the session.
研修資料はセッション前に配布されました。 - Please do not distribute this document outside the company.
この資料を社外に配布しないでください。
- 社内全体・全拠点など、広い範囲への「配布」を言いたいとき
- ガイドライン・マニュアル・公式資料など、フォーマルな文書
- 「正式に出回らせる」「公式に展開する」といったニュアンスを出したいとき
3つの違いをイメージで整理する
ざっくりまとめると、次のように使い分けられます。
- share:相手や小さなグループに「サッと共有する」
- circulate:社内で「回覧していく」イメージで共有する
- distribute:全体に向けて「正式に配布・展開する」
同じような文でも、単語を変えるとニュアンスが変わります。
I’ll share the document with you.
→ あなたに(必要なら周辺の人にも)軽く共有するイメージ。
We’ll circulate the document among the team.
→ チームメンバーの間で順番に回覧していく感じ。
We’ll distribute the document to all employees.
→ 全社員に正式に配布・展開するイメージ。
今日からのミニトレーニング
次のステップで、自分の「共有」表現をアップデートしてみてください。
- 最近送った日本語メールから、「共有」「回覧」「配布」という言葉が入った文を3つピックアップする。
- それぞれの文が、「軽く共有」「社内回覧」「正式配布」のどれに近いかを考える。
- それに合わせて、share / circulate / distribute を使って英訳してみる。
例:
- 会議の資料を共有します。(軽く共有)
→ I’ll share the meeting materials with you. - この資料をチーム内で回覧してください。(社内回覧)
→ Please circulate this document among the team. - 新ルールは全社員に配布済みです。(正式配布)
→ The new rules have been distributed to all employees.
次にメールやチャットで英語を書くとき、「とりあえず share でいいや」ではなく、「これは軽い共有?回覧?正式な配布?」と一瞬考えてみてください。
この小さな意識だけでも、「共有=shareだけ」の状態から抜け出し、より自然で場面に合ったビジネス英語に近づいていきます。