はじめに:clarify は「ただ説明する」ではありません
clarify は「説明する」と訳されることが多いですが、実際には「モヤモヤしている点をはっきりさせる」「あいまいさを取り除く」という、もう一歩踏み込んだ意味を持つ単語です。
この記事では、clarify のコアイメージから、会議・メールでそのまま使えるフレーズ、似た単語との違いまでをまとめて整理します。
clarify のコアイメージ:「モヤモヤをクリアにする」
clarify のイメージは、「濁っている水を透明にする」「モヤモヤをクリアにする」です。
すでにある情報・説明・考えを、「わかりやすい形に整える」「曖昧な部分を取り除く」ときに使います。
- 動詞:to clarify A(A を明確にする・はっきりさせる)
- 名詞:clarification(説明・明確化/はっきりさせること)
「新しく何かを説明する」というより、「もう出ている話の中で、分かりづらいところをクリアにする」ときに選ばれやすいのがポイントです。
動詞 clarify:〜を明確にする・はっきりさせる
- clarify + 名詞
- clarify the issue(問題を明確にする)
- clarify the requirement(要件をはっきりさせる)
- clarify the scope(スコープを明確にする)
- clarify + wh 節 / that 節
- clarify what we need to do
- clarify that the deadline is fixed
- Let me clarify the main objective of this project.
このプロジェクトの主な目的をはっきりさせておきます。 - Could you clarify what you mean by “support”?
「support」とは具体的にどういう意味でしょうか。 - We need to clarify who is responsible for each task.
各タスクの責任者を明確にする必要があります。
会議で「ここがよくわからない」「この言い方だと解釈が分かれそう」と感じたときに、丁寧に話を進めるための動詞として非常に便利です。
名詞 clarification:clarification を求める・する
- ask for / request + clarification
- ask for clarification on this point
- request clarification regarding the timeline
- for + clarification
- for clarification, …
- If you need any clarification, …
- Thank you for your clarification on the budget.
予算についてご説明いただき、ありがとうございます。 - I’d like to ask for some clarification on the next steps.
次のステップについて、いくつか説明をお願いしたいです。 - If you need any further clarification, please let me know.
さらにご不明な点があれば、お知らせください。
名詞 clarification は、メールや資料で「ご説明」のような少しかしこまったニュアンスを出したいときに使いやすい表現です。
会議・メールでよく使う clarify フレーズ集
- Let me clarify one point.
1点だけはっきりさせておきます。 - Just to clarify, …
念のため確認ですが/はっきりさせるために申し上げると…。 - I’d like to clarify our expectations.
こちらの期待する内容を明確にしておきたいです。
- Thank you for your clarification on this matter.
本件についてご説明いただき、ありがとうございます。 - For clarification, please see the attached document.
説明のため、添付資料をご確認ください。 - I hope this clarifies your question.
これでご質問の点が明確になれば幸いです。
これらをそのまま「かたまり」で覚えておくと、会議・メールで即使えるフレーズ帳としても活用できます。
define / explain / clarify のざっくり使い分け
似たような場面で出てくる単語との違いも、イメージで押さえておくと迷いにくくなります。
- define:
用語・概念などを「定義する」。境界線を決めるイメージ。- define the term “KPI” / define our target users など。
- explain:
相手が知らないことを「説明する」。理由や背景を伝えるイメージ。- explain the process / explain why this happened など。
- clarify:
すでに出ている説明・情報の「曖昧な部分をはっきりさせる」。- clarify the process / clarify who does what など。
同じような文でも、単語を変えるとニュアンスが変わります。
- Let me explain the process.
→ プロセスそのものを一から説明します。 - Let me clarify the process.
→ すでに共有しているプロセスの、わかりづらい部分をはっきりさせます。
clarify を使ったミニ会話(会議/メール)
- A:So, we’ll “support” the client after the launch.
ということで、ローンチ後はクライアントを「サポート」します。 - B:Just to clarify, what exactly do you mean by “support”?
念のため確認ですが、「サポート」とは具体的にどういう意味でしょうか。 - A:I mean we’ll provide technical support and regular check-ins.
技術サポートと、定期的な状況確認を行うという意味です。
- Thank you for your clarification on the implementation schedule.
導入スケジュールについてご説明いただき、ありがとうございます。 - For further clarification, I’ve added a timeline to the attached slide.
さらにわかりやすくするため、添付スライドにタイムラインを追記しました。 - I hope this clarifies how we will proceed next month.
これで、来月どのように進めるかが明確になれば幸いです。
短い会話やメールの形でイメージしておくと、実際の場面で口から出しやすくなります。
こんなときは clarify を選ぶ
- 相手の発言・メールに「あいまいな言い方」があり、意味をはっきりさせたい。
- 誤解や認識違いが起こりそうなポイントを、事前にクリアにしておきたい。
- 単に質問するのではなく、「認識合わせのために整理する」ニュアンスを出したい。
具体例:
- Could you explain this?
→ これについて説明してもらえますか。(一から説明してほしい) - Could you clarify this point?
→ このポイントをはっきりさせてもらえますか。(曖昧な部分をクリアにしてほしい)
今日からのミニトレーニング:clarify を自分ごとにする
- 最近の日本語メールや会議メモから、「はっきりさせたい」「曖昧なので整理したい」と感じた場面の文を3つピックアップする。
- それぞれが「一から説明してほしい」のか、「すでにある説明のどこかを明確にしたい」のかを分けて考える。
- 「明確にしたい」側の文を、clarify / clarification を使って英訳してみる。
例:
- この点について、認識をはっきりさせておきたいです。
→ I’d like to clarify our understanding on this point. - スケジュールについて少し説明していただけますか。
→ Could you clarify the schedule a little bit? - 何か不明点があれば、遠慮なく確認してください。
→ If you need any clarification, please feel free to ask.
次に会議やメールで英語を使うとき、「とりあえず explain でいいや」ではなく、「いま必要なのは定義なのか、説明なのか、曖昧さをなくすことなのか?」と一瞬だけ考えてみてください。
その小さな意識づけだけでも、clarify を含めた「場面に合った自然なビジネス英語」にぐっと近づきます。