はじめに:全部 ask で済ませていませんか?
ビジネスメールで「お願いしたいこと」があっても、毎回 ask しか使わないと、少しカジュアルすぎたり、ニュアンスが伝わりきらないことがあります。
この記事では、ビジネスでよく登場する ask / request / require の違いを、日本語の感覚に近い形で整理します。
それぞれの使いどころを押さえておくと、依頼メールの丁寧さや強さを細かく調整できるようになります。
ask「ふつうに頼む・聞く」
ask は、もっとも一般的でカジュアル寄りの「頼む/尋ねる」です。
同僚や関係の近い相手に「〜してもらえますか?」と聞くときに、いちばんよく使われます。
- Can I ask you to check this document?
この資料を確認してもらえますか。 - I’d like to ask you a quick question about the schedule.
スケジュールについて、少しお伺いしたいことがあります。 - Let me ask our manager and get back to you.
マネージャーに確認してから、改めてご連絡します。
- 同僚・部下・気心の知れた取引先に、軽めに頼みたいとき
- 口頭やチャット、カジュアル寄りのメールで使うとき
- 「お願い」だけでなく「質問する」ニュアンスも含めたいとき
request「丁寧でフォーマルな依頼」
request は、フォーマルに「依頼する」「要請する」というニュアンスです。
ビジネスメールや書面で、「お願い申し上げます」に近い丁寧さを出したいときによく使われます。
- We would like to request your approval for the new budget.
新しい予算案のご承認をお願い申し上げます。 - Could I request you to send us the invoice by Friday?
金曜日までに請求書のご送付をお願いしてもよろしいでしょうか。 - If you need any support, please feel free to request assistance from our team.
サポートが必要な場合は、いつでも当チームまで支援をご依頼ください。
- 取引先・顧客・上司など、丁寧さが大事な相手への依頼メール
- 契約・見積もり・承認など、少し「かしこまった」場面
- 文書やお知らせなど、公式な文章で依頼したいとき
require「必須条件として求める」
require は「必須条件として求める」「〜が必要である」という、かなり強めのニュアンスを持つ単語です。
相手の意思というより、「ルール/仕様/条件」として必要なものを示すときに使います。
- This position requires advanced business English skills.
このポジションには高度なビジネス英語力が求められます。 - The system requires all users to reset their passwords.
本システムでは、すべてのユーザーにパスワードのリセットが必要です。 - We require your signature on the contract before starting the project.
プロジェクト開始前に、契約書へのご署名が必要となります。
- 規則・仕様・条件として「必ず必要」であることを示したいとき
- お願いというより「要件」「前提条件」を説明するとき
- 利用規約・求人票・マニュアルなど、やや硬い文章で使うとき
3つを言い換えると印象はどう変わる?
同じ内容でも、単語を変えると、相手が受け取る「強さ」や「丁寧さ」が変わります。
- We ask you to submit the report by Friday.
→ 友好的で標準的な「お願いします」。 - We request you to submit the report by Friday.
→ フォーマルで丁寧な「ご提出をお願い申し上げます」。 - We require you to submit the report by Friday.
→ 「金曜日までの提出が必須条件です」という、かなり強いトーン。
メールを書くときは、
- 相手との関係性
- 内容の重要度
- どれくらい強く「必須」を伝えたいか
を考えて、3つのどれを使うか選べると、表現のコントロールがしやすくなります。
今日からのミニトレーニング
直近で送った日本語メールの中から、「〜をお願いします」「〜が必要です」と書いた文を1つ選ぶ。
その文を、
- 軽めのお願い → ask
- ていねいな依頼 → request
- 必須条件 → require
の3パターンすべて英語にして、ノートかメモアプリに書き出してみてください。
次に英語メールを書くとき、そのうち1パターンだけでも実際に使ってみる。
この小さな練習を繰り返すだけで、「とりあえず ask だけ」から抜け出して、依頼メールの表現力がぐっと広がります。